この記事は主に「心不全療養指導士認定試験ガイドブック 第2版 第6章」を参考にしています。
2023/12現在の情報を記しています。
心不全慢性期の治療目標
- 生命予後改善
- 心不全増悪による再入院予防
- 症状の改善、QOLの改善
- 突然死の予防
LVEFの低下した心不全に対する薬物治療
HFrEFでは1.生命予後改善2.心不全増悪による再入院予防が薬物治療の中心となる。
これは生命予後改善、再入院が証明された以下の基本治療薬を使用する。
- β遮断薬
- ACE阻害薬
- MRA
- ARNI
- SGLT2
β遮断薬、ACE阻害薬は禁忌がない限り全例に投与すべきである。
上記の治療に加えて以下の場合にそれぞれ追加を検討する治療を記載します。
症状があって心拍数が多い場合
症状があり、洞調律で心拍75拍/分の場合は、Ifチャネル阻害薬
頻脈性心房細動の合併
β遮断によって心拍数をコントロール
うっ血所見がある場合
利尿薬を使用する
症状によりQOLを改善したい場合
ステージDには経口強心薬ピモベンダン使用を検討するが、予後改善効果がないことに加えて生命予後悪化するリスクがある。
重症不整脈、不整脈に基づく心停止の既往がある場合
アミオダロンの使用
以下の薬剤は使用すべきではない
- 高血圧、狭心症合併がない場合はカルシウム拮抗薬
- α遮断薬
- Ⅰ群抗不整脈薬
ジゴキシンの使用は再入院防止に効果があることが示されている。血中濃度の管理が必要
その他
LVEFが保たれた心不全に対する薬物治療
予後改善の十分なエビデンスが証明された薬剤が現在はないため、対症療法が中心となる。
また並行して基礎疾患や併存疾患の治療を行う。

コメント