不整脈の違いを理解!心不全療養指導士

不整脈の種類と特徴の違い

頻脈性不整脈(心房細動、心室頻拍、心室細動)

徐脈性不整脈(洞不全症候群、房室ブロック)に大別される。

心房細動

洞結節由来の伝導がなくなり、複数の興奮が心房内を巡ってしまう状態。
肺静脈内からの期外収縮が強く影響していることが多い。
心房収縮不全により、頻脈が長期間継続すると頻脈誘発性心筋症をきたしてしまうことがある。

脈の乱れを自覚することが多い。

心室頻拍

心室の興奮が100拍/分以上で3連発以上の総称である。
基礎疾患がある特発性と心筋梗塞、心筋症、弁膜症などが原因となる続発性がある。

心室細動

心室筋が無秩序に興奮し、心停止となっている状態。
速やかに治療をしなければ死に至る

洞不全症候群

洞結節とその周囲の障害によりめまい、意識消失、痙攣などの脳虚血状態を起こす症候群。診断によりⅠ(洞徐脈)、Ⅱ(洞房ブロックと洞停止)、Ⅲ(徐脈頻脈症候群)の分類がある。

房室ブロック

洞房結節やヒス束で伝導が遅延、途絶するもの。診断により1、2(Wenckebach型とMobitzⅡ型)、3(完全房室ブロック)の分類がある。

不整脈の診断の違い

診断と違いには心電図の波形の知識が少し必要です。
まずはP波は心房の興奮、QRS波は心室の興奮と覚えておけば少し理解ができます。

心房細動

12誘導心電図、ホルター心電図などを使用する。頻脈を示すことが多いが心室への伝導が少ないと徐脈となる場合もある。

心室頻拍

幅広いQRS波が規則的に出現する。心房と心室が独立して動いてしまうため心房の動きを捉えるP波と心房の動きを捉えるQRS波が別々に出現してしまう。ただし、P波が見えないこともある(QRS波が頻繁に表れて隠れてしまうため)

心室細動

心電図で振幅も周波数も不規則な波形を表す。

持続性の<50回/minの洞徐脈がある

洞不全症候群

心電図による分類があり、心電図の知識を覚えていると理解しやすいです。

Ⅰ型(洞徐脈)

Ⅱ型(洞房ブロック)

洞結節からの伝導が心房に伝わらないことによる。
心電図で波形の脱落とPP間隔が洞調律の整数倍であること。

Ⅱ型(洞停止)

洞結節の興奮がないことによる。
心電図で波形の脱落とPP間隔が洞調律の非整数倍であること。

Ⅲ型(徐脈頻脈症候群)

心房細動などの停止時に続いて、Ⅱ(洞房ブロックと洞停止)による心停止が出現する。

房室ブロック

こちらも心電図による分類があり、心電図の知識を覚えていると理解しやすいです。

1度

PQ間隔が正常である0.20sec以上に延長したもの。QRS波は脱落しない
自覚症状なく治療もいらないことが多い。

2度(Wenckebach型)

PQ間隔が正常である0.20sec以上に次第に延長し、QRS波は脱落するもの
長時間の心停止を起こすことはない

2度(MobitzⅡ型)

PQ間隔が正常である0.20sec以上に延長せずQRS波が突然脱落するもの
ヒス束より抹消でのブロックであり完全房室ブロックに移行する可能性が高い。
長時間の心停止から心臓突然死のリスクが高い

3度(完全房室ブロック)

P波とQRS波が独立して出現する。心室や房室接合部から補充調律が起こるためQRS波の形や幅が異なる。

不整脈の治療の違い

心房細動や心室頻拍において必要な治療を覚えておく必要がある。以下は今後追記していくこととする

心房細動

レートコントロール

リズムコントロール

抗凝固療法

カテーテルアブレーション

心室頻拍

電気的除細動

薬物治療

カテーテルアブレーション

心室細動

危険な状態。心肺蘇生法からの電気的除細動を行う。

徐脈性不整脈(洞不全症候群、房室ブロック)

原因特定を行い、治療や薬物の減量を検討する。
一定以上の徐脈となった場合には徐脈を助長してしまう薬剤の投与量を検討する。
脳虚血状態や心不全症状を有する場合にはペースメーカー植え込みを検討する。

終わりに

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